こんにちは、ワインエキスパートのヨッシーです。
今回は、私の独断と偏見で「ワインを知ってる人には常識かなー」と思う、超有名な高級ワインを11個選んでみました。
ワインを知っていくと必ず耳にする名前で、
ワイン好きなら一度は飲んでみたい憧れのワインです。
ワイン好きな人との話題や、ワインのウンチクとして、知っておいて損はないと思います。
それではさっそく行きましょう!
ROMANÉE-CONTI(ロマネコンティ)
高級ワインの代名詞「ロマネコンティ」。
ワインに詳しくなくても、なんとなく耳にしたことがあるのではないでしょうか。
フランスのブルゴーニュ地方でドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ社(通称DRC)が作るワインのひとつで、「ロマネコンティ」という畑でピノ・ノワール(黒ぶどう品種)を栽培して作られる赤ワインです。
お値段は100~200万円が相場で、幻と言われた1945年産はなんと6,000万円で落札されました。

桁違いです。スカウターで計ったら確実にぶっ壊れますね
私の戦闘力は53万です
「ロマネコンティ」というのは畑の名前で、ブルゴーニュのワインは畑の名前がワインの名前になっています。
ロマネコンティ畑はDRCが単独で所有しているので、他の生産者はロマネコンティを作ることが出来ません。こういったワインには「MONOPOLE(モノポール)」という表示がされています。
ブルゴーニュの畑には4つの格付けがあり、上から「グランクリュ(特級畑)」、「プルミエクリュ(一級畑)」、「村名(ヴォーヌ・ロマネなど)」、「地方名(ブルゴーニュ)」となっていて、「ロマネコンティ」は当然「グランクリュ」です。
ロマネコンティ畑があるヴォーヌ・ロマネ村は「神に愛された村」という異名を持つほどワインの生産に恵まれた土地で、ロマネコンティ畑は僅か1.8ヘクタールしかありません。
さらに、ぶどうの品質を高めるために容赦なく剪定しているため、年間6,000本程度しか生産されません。
ロマネコンティは「神から与えられたワイン」として古くから崇められ、品質・ブランド・歴史・希少性など、その魅力に取りつかれた人々が争奪戦を繰り広げているのです。
HENRI JAYER(アンリ・ジャイエ)
アンリ・ジャイエはワインの名前ではなく、人の名前です。
ブルゴーニュワインを語る上で、絶対に外せない人です。
1922年ヴォーヌ・ロマネ村に生まれ、生涯をワイン造りに捧げ、ブルゴーニュワインの神と呼ばれた人物です。
ピノ・ノワール(黒ぶどう品種)を知り尽くし、伝説的なワインを数多く残しました。
特に有名なのに、「クロ・パラントゥ」があります。
この畑はプルミエクリュ(一級畑)なのですが、他の造り手のグランクリュ(特級畑)の価格を超えるワインを生み出していることからも、アンリ・ジャイエの凄さがわかります。
2006年に生涯を終えましたが、現在では甥のエマニュエル・ルジュと弟子のメオ・カミュゼがアンリの遺志と畑を引き継いでいます。
MONTRACHET DOMAINE LEFLAIVE(モンラッシェ ドメーヌ・ルフレーヴ)
ルフレーブがブルゴーニュの「ピュリニィ・モンラッシェ村」と「シャサーニュ・モンラッシェ村」にまたがる特級畑「モンラッシェ」でシャルドネ(白ブドウ品種)から作られる白ワインです。
DRC社もモンラッシェ畑を所有し、「モンラッシェ」を造っていますが、2017年にはルフレーヴがDRC社のモンラッシェを抑えて一位になり、約70万円の値が付きました。
1997年に所有するすべての畑をビオディナミ農法(化学肥料や農薬を使わないでぶどうを栽培する農法)に変え、ビオディナミ農法のパイオニアとなりました。
その味わいは透明感があり、瞬く間に超人気銘柄となりました。
どんどん値が高騰しているルフレーヴのワインですが、手ごろな価格のワインを造るため、モンラッシェよりも南にある安価な土地「マコン地区」でワイン造りを始め、2004年に初ヴィンテージをリリースしました。
価格は3,000~4,000円程度ですが、その味わいはグランクリュの透明感をそのまま引き継いでいます。
BORDEAUX’S BIG FIVE(ボルドー5大シャトー)
11選の中のひとつに、さらに5つのワインを盛り込んでごめんなさい。
でも、この5大シャトーはまとめて知っておいてください。ボルドーワインを知る上で絶対に外せないシャトーです。
ちなみに「シャトー」はフランス語で城を意味しており、お城のように大きな醸造所でワインを製造していたことから、そう呼ばれるようになりました。ボルドーワインはシャトー○○という名前が多いです。
さて、この5大シャトーですが、1855年にボルドーのメドック地区で1級~5級の格付けが行われ、1,000近くのシャトーから1級に選ばれた4シャトー+1973年に2級から1級に昇格した1シャトーの合計5シャトーが「ボルドーの5大シャトー」と呼ばれています。
この格付けはシャトー・ムートン以外、1855年から見直しがされておらず、2級から5級のシャトーでは品質・価格が逆転しているものもありますが、5大シャトーに関しては他のシャトーには及ばない歴史と、現在でも絶対的な品質を保っています。
CHATEAU LAFITE ROTHSHILD(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
1級の中の1級、それがラフィットです。
1670年代にはすでに、本格的なワイン造りが行われていた非常に歴史のあるシャトーです。
18世紀、ルイ15世の愛妾だったポンパドゥール夫人が溺愛していたことでも有名です。
CHÂTEAU MARGAUX(シャトー・マルゴー)
ボルドーで最も『女性的』と言われるワインです。
女性的なワインとはタンニン(渋み)や酸がやわらかく、
一方、男性的なワインとは力強くパワフルな味わいを指すことが多いです。
CHATEAU LATOUR(シャトー・ラトゥール)
タンニン(渋み)が強く、本当の味わいを知るには15年かかると言われ、5大シャトーの中でも特に長期熟成型のワインです。
(タンニンや酸が強いワインは、一般的に長期熟成に耐えることができます)
ラトゥールは2008年からオーガニックワインに取り組み始め、2018年産からオーガニックワインをリリースしました。
CHATEAU HAUT-BRION(シャトー・オーブリオン)
シャトー・オーブリオンは「グラーヴ」という地区にあり、メドック地区の格付けに唯一の例外として選ばれたシャトーです。
5大シャトーの中で飲み頃が最も長いと言われています。
CHÂTEAU MOUTON ROTHSCILD(シャトー・ムートン・ロートシルト)
1855年の格付け2級から、1973年に1級に昇格しました。階級の改定が行われたのは、このシャトー・ムートンだけです。
エチケットのデザインが毎年変わるのですが、それをシャガールやピカソなど、著名な芸術家がデザインしていることで有名です。
1973年はピカソが描いたエチケットになっています。
CHÂTEAU D’YQUEM(シャトー・ディケム)
『貴腐ワイン』という、極甘口ワインのひとつです。
貴腐ワインの味わいは、ボトリティス・シネレア(貴腐菌)に由来する独特の香りと、蜂蜜のようなとろみと甘さがあります。
ブルーチーズやフォアグラ料理と合わせるのが定番となっています。
糖分が非常に多いため長期熟成することができ、良いものは100年以上の熟成に耐えられるといわれています。
シャトー・ディケムは、世界三大貴腐ワインと呼ばれるボルドーの「ソーテルヌ」という地区で造られ、その中の格付けで唯一の最高ランクに位置付けられたワインです。
現在ディケムは、LVMH(ルイ・ヴィトン モエ ヘネシー)グループの傘下になっています。
世界三大貴腐ワインは他に、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイ・アスー」がありあます。
PETRUS(ペトリュス)
5大シャトーがドルドーニュ川の左岸にあるのに対し、右岸ではメルロー(黒ぶどう品種)を中心としたブレンドでワインが造られています。
その中で最も高品質で高級なワインが、ポムロール地方にある「ペトリュス」で、5大シャトーよりも高いです。
「PETRUS」とはラテン語でキリストの12使途の長「聖ペトロ」を意味しています。
ちなみにポムロールには「ルパン」という、ペトリュスと一、二を争うワインもあります。
DOM PÉRIGNON(ドン・ペリニョン)
ホストクラブやキャバクラで注文される、派手でただ高いだけのワインのイメージがありますが、
むしろ他のシャンパーニュに比べてコスパが良いとさえ言われています。
シャンパーニュで他に有名な「クリュッグ」や「サロン」がありますが、市場価格で10万円くらいしますが、ドンペリは2万円で買うことができます(ロゼや熟成期間の長いP2、P3はもっと高いですが)。
ちなみにもう世間では知られてきていますが、「シャンパン」はスパークリングワインの総称ではありません。
フランスの「シャンパーニュ地方」で、ぶどう品種や栽培・醸造方法の厳しい基準を満たしたものだけが、シャンパーニュ(シャンパン)と名乗ることが出来ます。
その基準は非常に厳しく、造るには手間とコストがかかります。
なので安物のシャンパンは存在しないのです。
SASSICAIA(サッシカイア)
「スーパータスカン」という、イタリアのワイン法を無視して、トスカーナ州で高品質でおいしいワインを追及して造られたワイン、
その先駆けになったのが、この「サッシカイア」になります。
1940年にシャトー・ラフィット・ロートシルトからカベルネ・ソーヴィニョン(黒ぶどう品種)の苗をもらい、自分の畑で栽培を始めました。
世界で評価されているサッシカイアですが、イタリアのワイン法上では、最低ランクの「テーブルワイン」に位置している高級ワインです。
OPUS ONE(オーパスワン)
メドック格付け第一級のシャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有する「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵」と、カリフォルニアワインの父と呼ばれる、「ロバート・モンダヴィ」のコラボで誕生した、カリフォルニアの高級赤ワインです。
「オーパスワン」とは音楽用語で「作曲家の最初の傑作」という意味です。
ワインのエチケットには、その二人の横顔とサインがデザインされています。
CHATEAU MONTELENA(シャトー・モンテレーナ)
1976年、アメリカ独立200年の記念イベントとして、ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の「スティーヴン・スパリュア」が、スクールの宣伝を兼ねて、フランスワインVSカリフォルニアワインのブラインドテイスティング(銘柄を分からないようにして味と香りで評価する方法)対決を企画し、開催されました。
ワインは白・赤それぞれカリフォルニアワイン各6本、フランスワイン各4本の計20種類が用意されました。
開催地はパリ、審査員は全員フランス人という、カリフォルニアに超不利な状況で行われました。
審査員の方達はワランスワイン界の錚々たるメンバーで、

審査員のフランス人
まあフランスワインが圧勝するだろうけど、せっかくだからカリフォルニアが善戦してくれたら面白いよね
くらいに思っていたのではないでしょうか。
結果は、
白ワイン部門1位、カリフォルニア
赤ワイン部門1位、カリフォルニア
なんと、白も赤もカリフォルニアワインが1位を獲得してしまったのです。
その時の1位に輝いたのが、この『シャトー・モンテレーナ シャルドネ』でした。
この話は2008年に『ボトル・ドリーム』という題名で映画化されているので、興味があれば是非、観てみてください。
ALMAVIVA(アルマヴィーヴァ)
チリワインといえば、コンビニやスーパーで見かける安いワインのイメージがあると思いますが、近年では高品質なワインも造られるようになりました。
このアルマヴィーヴァもそのひとつで、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有する「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社」と、チリ最大のワイナリー、「コンチャ・イ・トロ社」とのコラボで誕生しました。
オーパスワンのチリバージョンといった位置付けです。
味わいは、チリ産のぶどうを使った、ボルドータイプになります。
ワインの名前は、「フィガロの結婚」の”アルマヴィーヴァ伯爵”に由来しています。
エチケットに描かれているイラストは、チリの民族「マプーチェ族」に古くから使われている太鼓の楽器をデザインしたもです。
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