みなさん、睡眠はしっかり取れていますか?
起床から3~4時間前後に眠気や頭がぼーとすることはありませんか?朝7時に起きる人であれば、午前10時~11時の時間帯が一日の中で最も脳がスッキリしている時間になり、仕事の作業効率も良いはずなのです。
この時間帯に眠気を感じている場合は睡眠時間が足りていないか、睡眠の質が悪い可能性があります。
自分ではちゃんと寝ているつもりでも、自覚症状がなく睡眠の質が悪くなっているかもしれません。
以下の項目は全て、睡眠の質に悪影響をあたえる行動です。
- 夜、お風呂に入らない
- 朝カーテンを開けない
- 寝る前にスマホを見ている
- 朝ご飯を食べない
- 夕食を寝る2時間以内にとっている
- 二度寝している
- 昼寝を30分以上している
- 酔っぱらって寝ている
- 休日に寝溜めしている
- 早く寝るのがもったいないと思っている
いくつ当てはまりましたか?まさか全部…?
6個以上当てはまる人は悪い睡眠のサイクルにハマっているかもしれません。睡眠を軽く見てはいけません。
睡眠の質が悪いと、
脳機能・集中力の低下
↓
仕事や私生活でうまくいかなくなる
↓
食欲・やる気がなくなる
↓
病気になりやすくなる
↓
好きなことができなくなる
↓
不満・不安が増える
↓
生活習慣が乱れる
↓
眠れなくなる
という負のスパイラルにハマり、抜け出せなくなってしまいます。こんな状態では満足した人生を送れるわけがありません。
でも大丈夫です。今は悪い睡眠でも、ちょっとした知識とコツさえつかめば、良い睡眠に変えていくことができます。
早くオシエテ!
寝るということ

睡眠不足はほろ酔い状態
睡眠不足の脳の覚醒度は、ほろ酔い状態と同じにまで下がります。
起床から17時間が経つと、日本酒1合を飲んだ程度と同等になることがわかっています。
近年、飲酒運転の取り締まりが厳しくなりましたが、睡眠不足は罪になりません。ですが、パフォーマンスが低下していることは言うまでもありません。
寝ないと酒なしで酔っぱらえるの?お得ジャン!

違います
睡眠の目的
人間を含むすべての動物は睡眠をとりますが、そもそも寝ている間に何が起きているのでしょうか。
脳と体の休息
これは誰もが理解していることだと思います。
さらに言うと、人間の体では自律神経が常に働いています。自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。 自立神経には活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」があります。
どちらもなくてはならないのですが、夜寝る前は副交感神経を優位の状態にしなければ、寝つきが悪くなり脳と体の休息が思うようにできなくなってしまいます。
記憶の整理と定着
睡眠は、イヤなことや不要な記憶を消去し、必要な記憶を固定する役割があります。
徹夜で勉強してテストに臨むよりも、しっかり寝た方がよい点数を取れるとよく言われるのもその為です。
記憶することも大事ですが、消去することも重要です。

いらないデータでいっぱいになったパソコンの動きが遅くなったりするのと一緒なのでしょうかね。
ホルモンバランスの調整
代表的なものに「成長ホルモン」があります。子どもであれば成長に密接な関係があることはよく知られていると思います。
成人でも筋肉や骨を修復・強化したり、代謝を正常にする作用があり非常に重要です。
また、睡眠不足になると太りやすくなることが知られていますが、それは食欲を抑える「レプチン」が減り、食欲を増す「グレリン」が増えることが原因です。
免疫力を高める
免疫はホルモンと連動しているため、睡眠不足になると免疫が下がり、コロナウィルスやインフルエンザ、がんなどの病気になるリスクが高まります。
アレルギーも免疫と密接な関係があります。
12月に入って、イギリスやアメリカで本格的な新型コロナウィルスワクチンの接種が始まりました。
日本でも直に始まると予想されますが、睡眠が乱れていると免疫が確立できなかったり、アレルギー反応が出るリスクが高まるので注意が必要です。
脳の老廃物をとる
脳は「脳脊髄液」という液体に浸かって守られています。
この脳脊髄液が新しく入れ替わるときに、脳の老廃物を一緒に掃除していると言われています。
この「掃除の時間」は起きている間にも行われていますが、それだけでは間に合わないため睡眠中にも必要なのです。
睡眠不足による老廃物の蓄積で、アルツハイマーのリスクが高まることが危惧されています。

脳の周りにゴミが溜まっていることを想像すれば、脳にとって良くないことは明らかですね。
最適な睡眠時間
睡眠時間は短くても長くても良くないことがわかっています。そして最適な睡眠時間は遺伝子によって決まっています。ショートスリーパーには鍛えてもなることが出来ません。
2018年、OECD(世界協力開発機構)によって行われた世界各国の睡眠時間の調査によると、日本は世界ワースト1位という結果が出ています。世界平均8時間25分に対し、日本人の平均は7時間22分となっています。
これだけ聞くと、「日本人の遺伝子は睡眠時間が短いんだ!」と思う人がいるかもしれませんが、残念ながらそんなエビデンスはありません。
日本の常識は世界の非常識とよく言われますが、睡眠に関しても日本は世界とは違った考えのようです。
自分の睡眠時間は遺伝子的に何時間なのか知りたい人は遺伝子検査をおススメします。
ちなみに、ライオンやトラのネコ科は13~14時間、キリンは数十分から1~2時間といわれています。
皇帝ペンギンのオスにいたっては、-60℃の環境で2か月間、不眠不休で卵を温めます。
信じられません。
冷え性の私からしたら考えただけで手足が凍傷します。

前世というものが存在するなら、確実に前世は皇帝ペンギンではないし、生まれ変わりたくもありませんね。
皇帝ペンギンじゃなくてヨカッター

睡眠の質が悪い人がやっている習慣 10項目
冒頭のチェック項目10個について何がいけないのか、そしてこれから良い睡眠にするにはどうするべきかについて、具体的に説明していきます。
夜、お風呂に入らない
夜、お風呂に入った方がよい理由は、「皮膚温度」と「深部体温」が関係しています。
人間の体は、覚醒時には深部体温を上げて体の活動を維持し、睡眠中は深部体温を下げて体を休めようとします。
深部体温は皮膚温度よりも常に高い温度なのですが、
寝る前には皮膚温度を上げて熱放射を促して深部体温を下げることで、深部体温が表面温度に近づきます。
この状態になると眠気が出て入眠しやすくなります。
お風呂に浸かると深部体温が一時的に上がり、身体は上がった分を下げようとするため、お風呂に入らない場合よりも深部体温を下げることができます。
具体的には、寝る90分前に入浴を済ませておくのがベストです。
「忙しくてそんな時間にお風呂に入れない!」という方は、ぬるめのお湯にするかシャワーだけにしても同様の効果が得られます。
または足湯もおススメです。足を温めて足の血行を良くすることで熱放散を促し、深部体温を下げることが出来ます。深部体温が上がらないのですぐに眠りにつくことが出来ます。
ワイン風呂は睡眠にいいの?
朝カーテンを開けない
これは、メラトニンが関係しています。
メラトニンは脳内から分泌されるホルモンで、多くなると眠気を感じるようになります。
メラトニンの分泌は太陽の光がスイッチとなり、
太陽の光を浴びるとメラトニンが低下し、14~16時間後に再び上昇するようになっています。
朝起きたらカーテンを開けて5分以上太陽の光を浴びるようにすると体内時計が安定するようになります。
脳が「朝」だと感じ光には、1000ルクス以上が必要だと言われています。
冬でまだ外が暗い時期や、天気の悪い日は、デスクライトを顔に近づけると1000ルクス以上の光を脳に届けることができます。
普通の部屋の照明だけでは500ルクス程度なので効果がありません。

朝の行動が、夜寝ることにつながっていたのですね
寝る前にスマホを見ている
ダメだとわかっていても、ついYouTubeやSNSを長時間見ていませんか?
さらに部屋を暗くしてベッドに入りながら見ているとすれば最悪の行動です。
スマホやパソコンのモニターから発するブルーライトは脳の覚醒を促し、睡眠の質を低下させます。
寝る2時間前から電子機器の画面は見ないようにするのが理想ですが、なかなか難しいと思います。
少なくとも、ベッドに入ってからはスマホを見るのは控えましょう。
また、部屋の照明に関しても寝る2時間前から少し落としておくと寝つきが良くなります。
朝ご飯を食べない
朝ご飯を食べると、内臓に刺激が入り、身体が朝だと認識します。
この食事による体内時計は朝にしか効果がありません。
「でも朝は食欲がないよー」という方でも大丈夫。量をたくさんとる必要はなく、少しでもいいから何かしら食べれば効果があります。
できれば、深部体温を上げる温かいものを食べるのがおススメです。
また、朝ご飯を抜くと基礎代謝が下がり、食べる人よりも5倍も太りやすくなることが研究で明らかになっています。
夕食を寝る2時間以内にとっている
寝る前にがっつり食べてしまうと、消化するのにエネルギーが必要になり、内臓が休めません。
だからと言って夕食を抜いて空腹になると、脳が覚醒して寝つきが悪くなります。
ですが、仕事の関係で就寝2時間前までにとることが難しい人も多いと思います。
その場合は、
・揚げ物や消化の悪いものは昼食までにして、夜は消化の良いものを食べる。
・夕方に炭水化物などを間食し、帰宅後はサラダやスープなどを軽く食べる。
などの方法があります。

自分のライフスタイルに合わせて工夫してみてください。
二度寝している
目覚ましをケータイのスヌーズ機能をONにして、二度寝、三度寝、四度寝…としていませんか?
これをすると脳が「おいおい、いつ起きればいいんだよ!」と混乱してしまいます。
だからと言って、スヌーズ機能をOFFにすると寝坊が怖いのもわかります。
そこでおすすめなのが、2つの時間にセットする方法です。
人はおおよそ90分のサイクルでレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。
レム睡眠で目覚めるようにすればスッキリ起きられるのですが、単純に90分の倍数で起きればよいものではなく、このサイクルは予測することが出来ません。
でも大丈夫。朝方はレム睡眠の時間が長くなっているため、20分前後でノンレム睡眠からレム睡眠に切り替わっています。
そこで、「起きる時間」と「起きる20分前」にアラームをセットします。
「起きる20分前」のアラームは短く微音にしておくことがポイントで、「起きる20分前」にレム睡眠になっていればそれでも起きることができます。
ノンレム睡眠であれば「起きる20分前」のアラームには気づかずに寝続けますが、「起きる時間」にはレム睡眠になっているはずなのでスッキリ起きられるという理屈です。
昼寝を30分以上している
起床から約8時間経つと、日頃の睡眠の質に関係なく眠気によりパフォーマンスが低下します。
この対策として昼寝は最適です。
しかし、30分以上だと深い眠りに入ってしまい、夜の睡眠に影響が出てしまいます。
そのため、昼寝は10~20分程度がおススメです。
ただし、16時以降に仮眠をすると夜の睡眠に影響が出てしまうので、それまでにするようにしましょう。
帰りの電車で居眠りすることも夜の睡眠に悪影響が出てしまうので要注意です。
酔っぱらって寝ている
お酒は寝つきに良いですが、飲み過ぎは睡眠の質を低下させます。
睡眠導入目的に寝酒をすると、徐々に耐性ができて量を飲まなければ効果がなくなってしまい身体によくありません。
酔っぱらって寝ているということは、おつまみも夜遅くまで食べているケースも多いでしょう。
翌日記憶がなくなるまで飲んだ時の睡眠は、寝ているというより気絶している状態に近いです。
アルコールを飲むときにはお水も一緒に飲みながら大人の飲み方をしましょう。

ワインや日本酒の成分が身体に良いことは確かですが、飲み過ぎは注意しましょう。
本心は浸かるほど飲みたい
休日に寝溜めしている
睡眠不足を週末でカバーしようと思っても、はっきり言ってほとんど効果はありません。
土日に夜型にシフトして、月曜日の朝が辛く、水曜日あたりでようやく仕事のリズムに慣れる様なことはありませんか?
1週間を通して同じ時間に起きた方が身体のリズムは整い、体調の管理もしやすいです。
そのため、休日も朝に予定を入れて平日の±1時間くらいで起きることをおススメします。
とはいっても、週末はゆっくり飲んだり、付き合いで夜遅くまで起きていることもあると思います。
そんな翌日の朝、どうしても遅くまで寝ていたいときは、カーテンを開けて太陽の光を浴びながら二度寝すると体内時計は崩れにくくなります。
早く寝るのがもったいないと思っている
ここまで読んでくれた方なら、睡眠の重要性を理解し、
「早く寝た方がいいな」と、少しは考えが改善されたと信じています。
それでもやっぱり、
家や家族のことでやらなければいけないことがあるかもしれません。
仕事が溜まってしまっているかもしれません。
趣味の時間を取りたいかもしれません。
こればっかりは個人の問題・価値観なので私は何も言えません。
でも、今一度考えてみてください。
それは本当に今やらないといけないことですか?
睡眠を削って、明日のパフォーマンスを落としてまで、やらなければいけないことですか?
多くのことは自分にとって魅力的に見えるかもしれません。
でも本当に重要なことはめったにありません。
ほとんどのことはやらなくても大丈夫です。
睡眠不足はそれを見極める能力を落としてしまいます。
本当にやらなくてはいけないことが現れたとき、それに全力を注げるように心と身体を整えておきましょう。
まとめ
- 寝る90分前にお風呂で身体を温める
- 朝は太陽の光を浴びる
- 寝る前は強い光を見ない
- 温かい朝ご飯を少量でも食べる
- 夕食は寝る時間と量を調整する
- 2段アラームで二度寝防止
- 昼寝をするなら15分前後。16時以降はだめ
- お酒を飲み過ぎて寝ない
- 休日もいつも通りに起きる
- 本当にやりたいことを見極める
この記事は下の3つの本を参考にして、自分の考えを入れてまとめました。
「睡眠の質が悪い人がやっている習慣」の8/10個は私が過去に行っていた習慣です。当時は睡眠不足をなんとなく自覚していましたが、それほど危険だとは思っていませんでした。それが自分の普通なのだと思っていました。しかし今から考えると、毎日昼間に眠たい状況は異常だったのだと気づきました。
まだ全ての習慣が改善されたわけではないですが、良い方向に向かっていることは間違いないです。睡眠の意味と効果を知った今は、過去の状況に後戻りすることはないと思います。人生の1/3の睡眠が、残りの2/3に大きく影響します。
この記事を読んでくれた方が少しでも好転しますように。
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