こんにちは、ワインエキスパートのヨッシーです。
今回は、J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパート呼称資格に興味があって受験しようか迷っている人や、スクールに通うか独学で勉強しようか迷っている人に向けて、私が試験対策で「やってよかった」ことや、「こうすればよかったなあ」と思うことをシェアしたいと思います。
ヨッシーのプロフィール
私は2017年度J.S.A.ワインエキスパートにほぼ独学で合格しました。
本業はワインやお酒に全く関係ありません。
普通の大学を卒業して、普通にサラリーマンをやっています。
ワインについて興味を持ち、ぶどうの品種の存在を知ったのが2016年3月。29歳のときでした。
それからすぐにワインエキスパートを受験しようと考え、約1年半で一発合格することが出来ました。
そんな私の体験が、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
資格を取ってみて良かったこと
私の本業はワインやお酒に全く関係ないため、
よく人に「何でワインエキスパートの資格を取ろうと思ったの?」と聞かれます。
ソムリエの資格を目指している人は明確な理由があると思いますが、
私は単に、ワインがおいしくて興味を持ち、深く知りたくなったので勉強を始めました。
ワイン関係の仕事に転職しよう!とかいう気は全くありませんでした。
どうせ勉強するなら資格を目指した方が効率がいいんじゃないかと思い、
なんとなく、「ワインエキスパートの資格を持ってたらかっこいいなー」と思ったのが正直な理由です。
実際に資格を取ってみて良かったと思うことは…
ワイン選びが楽しくなる
ソムリエ・ワインエキスパートの資格を勉強することで、ワインの知識を幅広く知ることが出来ました。
普通にワインを飲んでいたら、おそらく一生出会うことのなかったワインを知ることが出来て、楽しみがぐっと広がりました。
例えば、「ヴァン・ジョーヌ」というワインをご存じでしょうか?
これはフランスのジュラ地方のみで造られ、紹興酒のような独特な香りのする”黄ワイン”なのですが、私は勉強を始めるまで全く知りませんでした。
フランスに「ジュラ」という地名があることも知りませんでしたし、
ワインの色に赤・白・ロゼ以外に「黄」もあることに驚きました。最近ではオレンジや青いワインもあるようですね。
ワインの教科書を読んでいくと、こういったワインをたくさん知ることになります。
世界の色々なワインを飲んでみたくなります。
色々なワインを買いたくなってしまいます。
なのでぶっちゃけ、ワインにお金をかけたくない人は趣味で資格勉強はしない方がいいかもしれませんね…
レストランやワインショップが楽しくなる
ちょっと高級なレストランや、おしゃれなワインショップでワインを選ぶのって、
ちょっと緊張しちゃいますよね。
でもワインの知識があればレストランのワインメニューを見て、
「何このワインくそ高いじゃん…」と顔を青ざめてビクビクすることがなくなります。
お金があるかないかということではなく、
「このワインならこの値段はしょうがないね」と、ワインの価値を知っていることで余裕が生まれます。
自分の予算に合わせて、堂々とソムリエやワインショップの店員と一緒にワインを選ぶことが出来るようになります。
ワインメニューから、大体のワインの味わいを想像できるようになります。
料理に合わせてワインを選ぶこともできるようになります。
お酒全般に詳しくなれる
実は、ソムリエ・ワインエキスパートの試験範囲はワインだけではありません。
日本酒やその他のお酒も試験範囲で、これらも勉強しなければ合格は無理です。
ワインはぶどうを原料にした果実酒ですが、世界にはたくさんのお酒の種類があり、ワインはそのほんの一部のお酒です。
ワインと同じ”醸造酒”のビールや日本酒はもちろん、”蒸留酒”の焼酎やウィスキーも勉強する必要があります。
ワイン以外の様々なお酒を知ることで、よりワインの理解が深まると日本ソムリエ協会は考えているのだと思います。
私は資格習得後、ワイン以外のお酒にも興味が出て、今では蒸留酒50種類が常時家にある状態です。
蒸留酒は開封しても味が劣化しないので、少しずつ楽しめるのが魅力です。
スクールに通うか独学か
これはめちゃくちゃ迷いました。
当時私は色々なワインスクールを調べまくり、一度無料体験授業の申し込みまでしましたが、結局独学で勉強することに決めました。
その一番の理由はやはりお金です。
ワインスクールに通うとなると、少なくとも15~20万円はかかります。
私にはこの値段は高額だったので、独学で勉強することにしました。
「このお金でワインを買った方がいい!」と考えました。
もしあなたが15~20万円の出費に問題がなく、確実に効率よく勉強したいのであればワインスクールに通うことをおススメします。
ワインスクールに通えば、きっと教室で仲良くなる人が出来て、勉強のモチベーション維持になると思いますし、もしかしたら一生の友達やパートナーができるかもしれません。
分からないことも直接講師に聞けるので不安になりながら勉強を進めることはまずないでしょう。
もし私がワインスクールに通うとすれば、【アカデミー・デュ・ヴァン】にすると思います。
実は私、独学で勉強したと自慢していますが、一次試験前と二次試験前にだけ一回ずつ、「模擬試験の講座」を受けました。
そのスクールが【アカデミー・デュ・ヴァン】で、ワインスクールを調べまくった末にここに決めました。
個人的には模擬試験を受けたのは正解だと思っていて、独学で一発合格を目指している人は講座を受けることをおススメします。
模擬試験の講座は一回5,000円くらいだったと思います。
テキストもここのスクールのものをネットで買って勉強しました。
スクールに通うつもりがない人でも、無料体験を一度受けておいて、模擬試験対策講座の情報を事前に調べておくといいと思います。
試験中に大変だった思い出
仕事を両立しながらの勉強は本当に大変でした。
想像以上に暗記しなければいけないことが多く、暗記系の勉強が苦手な私はかなり苦労しました。
試験勉強期間中一番辛かったのは、好きなワインが飲めなくなったことです。
特に一次試験前は仕事が終わって帰ってきてから毎日勉強をしていたため、アルコールを摂取することができなくなりました。
一次試験が終わったら二次試験がすぐにあるので、二次試験に出ないような珍しいワインは飲むことを避けました。
というか、試験対策用に買ったワインしか飲む余裕がなくなりました。
一次試験の勉強で新しいワインを知っても、それを飲む余裕がなくなりました。
ワインを楽しむのが目的なはずなのに、好きなワインが飲めない状態になり、
「いったい自分は何のために勉強をしているんだ?」という思いも少しありました。
でも試験が終わったら思う存分好きなワインが飲めると思い、頑張って勉強に励みました。
一次試験対策
ここからは独学で勉強する人向けに、私が実際にやった勉強法を紹介していきたいと思います。
わかりやすいように、オススメ度を5点満点で表示してみました。
教本で最初から順番に勉強する オススメ度★☆☆☆☆0.2
受験を申し込むと、協会から教本が送られてきます。試験問題は100%教本の内容から出題されるので、教本で勉強すればいいと思いがちですが、これは罠です。
教本を読むだけで全て覚えられる人ならそれでいいかもしれませんが、普通の人は覚えられないと思います。
基礎知識が何もない状態で教本を読んでも、なかなか理解するのが難しいと思います。
教本を使うのは、勉強の後半で過去問や演習問題を解いた時の確認で使用するくらいで大丈夫です。
初心者向けの本を熟読する オススメ度★★★★★5.0
すでにワインの知識がある程度あれば、これは不要です。
ワインの知識がほとんどない方は、まずは初心者向けの本を読み、ワインについてざっくり理解してから勉強を始めると勉強の効率が上がると思います。
私のオススメは図解 ワイン一年生 [ 小久保 尊 ]です。
資格を目指そうと思うきっかけとなった本で、この本がなかったらワインエキスパートの資格は取っていなかったと思います。
”私の人生を変えた本”です。
本に出てきたキャラクター(ぶどうの品種)を覚えた直後は、スーパーやドン・キホーテのワイン売り場に行くのが本当に楽しかったです。
1/3くらいが漫画の構成で非常に読みやすいのに、この本に書かれていることは全て”超重要”です。
まずはこの本の内容を100%理解してから試験勉強に取り掛かると良いと思います。
私は10回くらい読んだと思います。
フランスから勉強する オススメ度★★★★★5.0
なんだかんだフランスがワインの基本です。試験範囲もフランスが2~3割ほどを占めます。
新世界(チリやアメリカ)のワインは基本的にフランスを手本にして造られています。
なので、まずはフランスワインを学ぶことがワインの基本を学ぶことに繋がります。
ワインスクールでも、「ワイン概論」の次は「フランス」を学ぶカリキュラムになっているのがほとんどです。
You Tubeで学ぶ オススメ度★★★★☆4.0
本やテキストだけの勉強だと、モチベーション的にも辛いものがあると思います。
そこでオススメなのがYouTubeです。私がお世話になったのは、小山先生の動画です。
2012年の動画なので情報が古い場合が稀にありますが、基本を学ぶには十分です。
最新の情報が気になった場合は、教本で確認すればOKです。
最近は他のYouTube動画が増えてきていますし、コロナの影響もあってワインスクールもオンライン授業を開催するところが出ているようです。
調べてみて、自分に合った動画を探してみてください。
問題をひたすら解く オススメ度★★★★★5.0
過去問を解きながら勉強を進めるのが効率が良いと思いますが、何回も解くと単に答えを覚えてしまっているだけで、根本を理解していない場合があるので注意が必要です。
私が利用してみてオススメだと思うのが、「ワイン受験.com」というサイトです。
年間5,500円で問題集・模擬試験をオンラインで利用できます。これの良いところは、問題や選択肢がCBT試験と同様にランダムに出てくることです。
何回問題を解いても新鮮な問題が出てくるので、着実に実力をつけることができました。
語呂合わせで覚える オススメ度★★☆☆☆2.0
暗記するのが苦手なので、当時私は2017年度版のこちらを買ってみました。
正直あまり意味なかったです笑
結構無理やりな語呂合わせで、自分の感覚に合いませんでした…
模擬試験を受ける オススメ度★★★☆☆3.0
すでに紹介しましたが、私は【アカデミー・デュ・ヴァン】で、一次の模擬試験を1回受けました。
試験の緊張感に慣れておきたかったのと、大手のワインスクールなら試験問題の情報が入っているのでは?!と思ったので私は受けてみました。
過去問やワイン受験.comで高得点が取れていれば、わざわざ受講する必要はないかなと思いますが、少しでも不安がある方は受けてみることをおススメします。
二次試験対策
独学で勉強できるのか、一番不安になるのがテイスティングだと思います。
大丈夫です!
独学でも合格レベルまで十分達成できます!
自宅で1人ブラインドテイスティング オススメ度★★★★★5.0
ワインは一度開けたらすぐに飲まないと劣化してしまうと思っていませんか?
実はちゃんとした保存方法なら、抜栓してからも2~3か月は余裕で大丈夫です。
私がオススメする方法は、抜栓したら直ぐに小瓶に詰め替えるやり方です。
ポイントは、限界ギリギリまでパンパンに入れて空気を少なくすること。こうすることでワインの酸化を防ぐことができます。
しかもこの方法なら、1人でブラインドテイスティングが簡単にできちゃいます。
ワインを詰め替えたら適当な紙に正解(ぶどう品種、生産国、生産年)を書き、見えないように内側に畳んで輪ゴムなどで留めておきます。
保存は冷蔵庫かワインセラーに入れてください。試験の時期は暖かいので室温保存は禁止です。
詰め替えた小瓶のワインを少しずつ飲む場合は、3~4日以内にしてください。
逆に言えば、3~4日は1つの瓶を少しずつ飲んでもそれほど味の変化はしないです。
例えば750mlのボトルを5つの小瓶に移しておけば、1つの瓶を1日に少量ずつ3~4日かけて飲むと、5瓶で15~20回試飲することができます。
私は白11本・赤10本の計21本を買い、二次試験の4カ月前から自宅でテイスティングを始めました。
白11種の小瓶からランダムに4本選んでブラインドで正解を当てるといった感じのことを、試験前には毎日やりました。
どんなワインを揃えればいいかについては、こちらの記事を参考にしてください。
どんな瓶に詰め替えるかですが、私は色々調べた結果「C1000ビタミンレモン」を箱買いしました。
空瓶で安いのがないか色々調べたのですが、結局これがサイズ・価格的にベストだったのでこれにしました。ただ、中身を飲まないといけないので家族や友人に協力してもらってください笑
もうひとつ必須なのが「テイスティンググラス」です。本番の試験でも使われるグラスなので自宅で練習するときにも同じものを使ってください。
テイスティンググラスは国際規格で形状が決まっているので、どのメーカーのものを買ってもOKです。一番安いものでいいと思います。
↑私調べで一番安いグラスです。6脚で3,498円(送料込み)ですね。
テイスティングの具体的な方法は、こちらの記事を参考にしてください。
私が実際に使った本も紹介しておきます。
試飲会イベントに参加する オススメ度★★★★☆4.0
今はコロナの影響でなかなか難しいですが、私は二次試験までの間で4回試飲会に参加しました。
自宅やお店ではまず試せない数の種類を味わうことができます。
試飲会の規模にもよりますが、参加費は2,000~5,000円くらいで50~200種類のワインを試飲することができます。
試験対策として参加する場合は、ただ飲みに行くだけでなく、「ピノ・ノワールを片っ端から飲んで特徴を掴む!」「同じ国のワインを飲んで品種の違いを覚える!」など、何かテーマを決めておくと良いと思います。
ワインバーに行く オススメ度★★★★☆4.0
最寄り駅にワインバーがあったのでよく行きました。お店の方に試験勉強をしていることを話したら、ブラインドで出してくれて結構勉強になりました。
今思えば、試験勉強中にしか体験できないワインバーの楽しみ方でした。
また試験にはワイン以外のお酒がソムリエは2種類、エキスパートは1種類出題されるのですが、これを一人でまともに勉強しようとしたら、リキュール類を何十種類も揃えなければいけないので費用がバカになりません。
そこで私が利用したのが、東京表参道にある「Bar MIZ」が開催しているワイン以外のお酒の2次試験対策講座です。
約50種類の小瓶(たしか30mlくらい)のセットをもらい、それぞれの特徴の説明をしてもらいました。
小瓶のセットはもちろん持ち帰ることができます。
2020年は郵送&ZOOMも開催したようなので、今後もやってくれるだろうと思います。
2020年の受講料は20,500円(ZOOM&郵送は22,000円)だったみたいです。
気になる方は問い合わせてみてください。
模擬試験を受ける オススメ度★★★★☆4.0
すでにお話しした通り、私は【アカデミー・デュ・ヴァン】で2次の模擬試験を1回受けました。
試験の本番は、色を見て、香りを嗅いで、味をみて、メモをして、マークシートを塗りつぶしてと、かなり忙しいです。
そのため時間が足りなくなる恐れがあるので、本番をイメージした模擬試験は必須です。
私は自宅で模擬試験を何度かやりましたが、自宅の練習だけでは不安だったので一応講座を受けてみました。
自宅ではない雰囲気でどう感じるかを知れました。
また、模範解答と照らし合わせて自分の感覚とズレがないかチェックすることができます。
「不安」があると自分の実力が出にくくなってしまいますので、不安をなくすためにも受けておくことをオススメします。
まとめ
自分でできるところは自分でやって費用をおさえ、
自分では難しいところはBarやスクールなどをうまく活用しましょう。
J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパートは独学で勉強する場合はそれなりに自分で調べて準備する必要がありますが、普通にやれば誰でも合格できます!
もし聞きたいことがあれば、私の答えられる範囲ですがお答えしますのでコメント欄にご質問ください。
私が受験用に準備して役に立ったもの一覧
書籍
・ワイン一年生
・一次試験対策テキスト
・ワインテイスティングの基礎知識
・ワインテイスティングバイブル
その他
・小瓶(C1000 ビタミンレモン 30×2)
・テイスティンググラス6個
・ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
・ワイン受験.COM
・Bar MIZ の2次試験対策講座
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