プロじゃなくてもワインテイスティングを学ぶべき理由

テイスティング

こんにちは、ワインエキスパートのヨッシーです。

ワインの「テイスティング」と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべますか?

「ソムリエや評論家がグラスをクルクルしてワインの味わいを語っている」

「ワインに詳しい人や芸人が目隠しをして銘柄を当てる」

そんなイメージでしょうか?

「小難しいことは考えず、ワインはただおいしく飲めればいいから関係ない」と思っていますか?

テイスティングの方法に難しい知識はいりません。

テイスティングの方法を体系的に知っていると、自分好みのおいしいワインに出会えるようになります。

そうしたらもっとワインを楽しめるようになりますよね。

テイスティングの方法は、日本酒やビール、ウィスキーなどのお酒はもちろん、コーヒや水、ジュースでもやり方は同じなので、基本を一度覚えてしまえば全ての飲料のティスティングができるようになります。

食べ物でも基本は同じです。

もっと言えば、例えば風景や映画、旅先や日常での出来事などを楽しむ場合でも共通するところがあると思います。

今までの自分だったら気づかなかったようなことも、テイスティングの考え方を取り入れることで気づくことが増えるはずです。

そうしたら、人生がもっと楽しくなっちゃいますね。

ワインを楽しむついでに、ワイン以外の人生も楽しめるようになるならお得ですよね!

ワインテイスティングの目的

テイスティングの目的は、その人の立場によって異なります。

ソムリエであれば、そのワインの「品質」「状態」を判断し、仕入れやサービスの方法を考えます。

評論家であれば、そのワインの「品質」「本質」を見抜いて点数をつけたりするでしょう。

愛好家は、自分の好きなワインを見つけたり考えたりすると思います。

これを読んでいるあなたはワインを楽しむためにちょっと勉強してみたい、資格を取ってみたいと考えていると思いますので、目的は以下3点になると思います。

1.ワインのヴァリエーション、特徴を知る
2.ワインを分析して記憶する
3.ワインの味を言葉で表現できるようにする

ワインのヴァリエーション、特徴を知る

どんなワインかを理解します。テイスティング技術を意識しなくてもやっているとは思いますが、テイスティングの方法を学ぶことでより多くの特徴に気づくことができます。

ワインを分析して記憶する

ワインの味わいの分析ができるようになると、その飲んだワインを記憶しやすくなります。ただ飲んでいるだけだと、ワインの名前と大体の味しか情報がありません。「ワインの味」というざっくりとした情報だけだと、強烈な印象がない限り記憶からすぐになくなってしまいます。

テイスティングの方法でワインを味わうと、五感をフルに使うようになり、ワインの様々な特徴の情報が紐づけされ、記憶に定着しやすくなります

そうなってくれば、過去の情報と比較できるようになり、よりワインの特徴を理解できるようになります。

ワインの味を言葉で表現できるようにする

ワインの表現方法には決まりがあります。なので、表現方法を知っていれば、

・ボトルの裏に書いてあるコメントから味わいを予想することができる
・ソムリエとワインの相談ができる

これらのことができるようになり、好きなワインを探せるようになります。

テイスティングの環境

ワインは、飲むときの環境(温度、湿度、雰囲気など)や自分の体調で味わいの感じ方が変わってきます。

そのため、なるべくワインをいつも同じ条件で評価するため、共通の基準が設定されています。

資格試験を控えている場合はなるべく環境をそろえた方がいいですが、普段はそれほど気にする必要はありません。

一応基準を記載します。

環境

室温18~22℃、湿度60~70%、静か、無臭、明るい室内。白いテーブルクロスかマットがあると良い。

グラス

I.S.O規格のテイスティンググラス

資格を取ろうと思っている方は必ず必要になるので、早めに持っておいた方がいいです。

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ワインの温度

赤ワイン16~17℃、白・ロゼワイン15℃、スパークリングワイン8℃

飲む順番

複数のワインを同時に味わう場合は、後半に味がわからなくならないように、軽いものから重いものを飲んでいくのが基本です。若いワイン→古いワイン
普通のワイン→良いワイン
辛口→甘口
軽いワイン→渋みの強いワイン

ワインテイスティングの方法

いよいよテイスティングの方法です。

テイスティングには決まった手順があります。

1.まず外観を見て見た目だけでわかる情報を読み取ります。

2.次に香りをとります。一回目はグラスを回さずそのまま嗅ぎ、グラスを回してもう一度香りを嗅ぎます。

3.ここでようやくに口に含んで味わいをとらえます。

それぞれのステップについて、みるべきポイントを説明します。

みる【外観】

【外観】清澄度、輝き

ワインの健全度をこれで判断します。ワインに何らかの異常があれば、混濁し、輝きがなくなります。

ただし、あえてフィルターをかけないワインもあり、その場合は濁っていることもあります。

【外観】色調

ワインの熟成度合いや特徴を読み取ります。

熟成が進むと、白ワインは緑がかった黄色から琥珀色へ。赤ワインは紫がかった赤からレンガ色へと変化していきます。

【外観】濃淡

外観で最も重要なポイントです。

産地の気候、ぶどうの成熟度、品種のタイプ、醸造方法を判断します。

温暖な気候で育ったぶどうは色濃く、冷涼な気候で育ったぶどうは淡い色調になります。

【外観】粘性

アルコール量、グリセリン量を判断します。グラスを傾けて壁面を流れる様子から判断します。アルコール度数が高いと粘性も高くなります。

【外観】泡立ち

シャンパーニュのように瓶内熟成が長いと泡がきめ細かく、持続性が長くなります。

また、スパークリングワインでなくても微量な炭酸が含まれていることがあります。

嗅ぐ【香り】

【香り】量

凝縮度が高いと香りが豊かになります。品種によっても差がありますが、香りが強ければ一般的に品質が良いワインです。

【香り】第1アロマ

ぶどう由来の香りです。「果実」、「花」、「スパイス」などで表現されます。

【香り】第2アロマ

発酵由来の香りです。「キャンディ」、「バター」、「バナナ」などで表現されます。

【香り】第3アロマ

熟成由来の香りです。木樽の香りであれば「ヴァニラ」や「ロースト」。酸化熟成由来であれば「枯れ葉」、「ドライフルーツ」、「動物性の香り」で表現されます。


飲む【味わい】

【味わい】アタック

口に含んだ瞬間の第一印象として、以下に上げる味わいの強弱をみます。

【味わい】甘味

舌で感じる甘さを判断します。果実味が強い、アルコールが強い、酸味が低い場合には甘味が強く感じられます。

【味わい】酸味

ワインには数種類の酸が含まれています。

主な有機酸として、ぶどうに元々含まれているのにリンゴ酸、酒石酸、クエン酸などがあります。

冷涼な地域では酸の量が多くなり、種類としてはリンゴ酸が多くなります。
温暖な地域では酸の量が少なくなり、相対的に酒石酸が多くなります。

リンゴ酸はあっさりと爽やかな酸味です。
酒石酸は刺激がり、苦味のある酸味です。

また発酵過程で生成する酸があり、乳酸、酢酸、コハク酸などがあります。

アルコール発酵の後に、マロラクティック発酵を行う場合があるのですが、これを行うとリンゴ酸の量が減って、乳酸が多くなります。

乳酸は、やわらかみのある酸味となります。

【味わい】渋み

渋みの成分(タンニン)はぶどうの皮と種子に多く含まれます。

そのため、果汁しか使わない白ワインには普通、渋みはありません。

口の中に感じるザラザラ具合で判断します。渋みが強い場合は「タンニンの収斂(しゅうれん)性が強い」と表現します。

【味わい】苦味

心地よい苦味があることで、味に奥行きが出てきます。

温暖な産地のものは酸味が弱く、苦味が強調されやすくなります。

白ワインの場合、酒石酸によって苦味を感じることもあります。

【味わい】フレーヴァー

口に含んだ時に感じる香りです。

基本的に鼻だけで嗅いだ香りと同じですが、フレーヴァーだけに現れることもあります。

フレーヴァーの傾向は、「フローラル」、「ミネラリー」、「フルーティ」、「スパイシー」などがあります。

【味わい】アルコール

ワインを口に含み、口から空気を取り込んで鼻から空気を出してください。

そのときに鼻に感じる「熱さ」でアルコール度を判断します。

糖分が発酵によってアルコールに変わるため、ぶどうの糖度が高いほどアルコールも高くなります。糖度の高いぶどうは一般的に温暖な産地のものになります。

【味わい】余韻

ワインを飲んだ後にのこるワインの風味です。余韻が長いと良いワインとされています。

ワインの表現方法

表現の言葉を使うときに、とても大切なことがあります。

それは、「ネガティヴな言葉を使わない」ことです。

ワインはポジティブな言葉だけで表現するようにします。

それってなんだか素敵なことだなと思います。

そんな人間に私はなりたい。

悪いワインなんて存在しないのです。そして悪い人間も存在しないのです。

ワインボトルの裏や、ワインメニューの説明書きで、正直品質の高いワインではない場合、どう表現するか例を上げてみます。

分かりやすいようにちょっとネガティブな言葉で説明しますがご了承を。

・単調な味わいでチープな感じ →「チャーミングな味わい」
・甘ったるくて渋みも足りない →「果実味が豊かで柔らかなタンニン」
・酸味が際立ちすぎて果実味が乏しい →「シャープな酸味と優しい果実味」

「え、詐欺じゃね?」と思いました?

違います。言葉の表現を変えただけです。でもこんな説明の後に飲んだワインは、不思議とおいしく感じるものです。

悪いイメージをもってその人と接すると、欠点ばかりに目が行ってしまうのと一緒ですね。

まとめ

長々と書きましたが、テイスティングは

1.見る 2.嗅ぐ 3.飲む

の順番でやればとりあえずOKです。この手順はワインに関係なく、他の飲み物や食べ物でも応用ができると思います。

ティスティングをマスターして、自分の好きなモノの良いところをたくさん探してください。

人生を楽しむ手段のひとつとして、ティスティングの方法を覚えるのも悪くないと思います。

それでは!

コメント

  1. […] テイスティングの具体的な方法は、こちらの記事を参考にしてください。 […]

  2. […] […]

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